文字化化(もじばけ)とりあえず全部(バージョン1.4.1)のエンドを埋めたので感想。
言語解読×恋愛×ホラーゲームという珍しいジャンルのゲーム。興味があったけれどもなかなか手を出さない分野だったけれども、面白そうだなあと思ったのでプレイしてみた。結果的にすごくおもしろかった
余談だけれどもスクリーンショットは全画面で撮ったほうがよかったね。お見苦しいけれども編集も面倒なのでこのままですいません。このゲームをやりたくてついに自分の古いPCにsteamを入れることになった。ノートパソコンだし動くかなと先に体験版をプレイしたらちゃんと動いたのでめでたく製品版を購入できた。プレイできたーよかったー。魅惑のsteam、楽しみ。
さて文字化化。異世界に迷い込んだ主人公の少女(多分女子高生)が、人外と恋愛(?)しつつ異世界からの脱出を目指す話。
ホラーなので臓物出てきたり血が出てきたりさっくり死んだりはよくするけれども、そこまで超絶怖い! というわけではないので、ホラー描写絶対無理血とか嫌すぎるみたいな人でなければプレイできるのではないかと思う。わたしはホラー映画とかが大好きなのであんまり参考にはならないかもしれない……。ジャンプスケアリー(いきなり脅かすやつ)がたまにあるのでそこだけ注意。でもデカい音とかも出ないのでとても優しいと思う。
主人公は異世界からの脱出を目指しているけれど、プレイヤー的には特に脱出が最終目標というわけではない。たくさんある分岐エンドの中では脱出に成功しているものも普通にあるし、道中ここから出られるなーってところも結構ある。あくまでプレイヤー的には人外たちとコミュニケーションをとりながらストーリーを見ていくというゲームなので、脱出が最終目標のゲームだーと思っていると肩透かしを食らうかも。けれども本テーマの人外とのコミュニケーションや、この世界や主人公についての話などはシナリオがうまい具合に練られていてすごく面白かった。
製作者さんが色々おありでこれ以上の追加は無いと明言されていたけれども、それでも全く問題ない完成度なので、気になるけれども……って方がいらっしゃったらプレイをお勧めしたい。目立ったバグもないしシナリオもちゃんとしているしキャラクターも個性的で可愛いので面白いよ!
色んな人外男子とか女子とか出てくるけれども、皆個性的ですごくチャーミング。キャラクター造形がとてもうまいので、たまになんか殺されたりするのだけれども不快感とかはなく、始終楽しくプレイできた。あと主人公が始終メンタルがとてもつよい女の子で、泣き叫んだりするシーンが皆無なのでとてもサクサク進む。好きな感じの主人公だった。とてもつよい……。メンタルが強いのにも一応理由みたいなものがある。それと、言語がまだ発達しきっていない世界が舞台なので、「愛している」とかの直接的な甘い言葉は無いけれどもプレイヤーが好意を感じたり、こいつ面倒くさい男だな……とかこの人かわいいなあ……とか感じるにはとても十分だと思う。皆すごく大好きだった。
文字解読ゲームは初めてプレイしたけれどもこちらとしても面白かったー!
わたしは英語がめちゃくちゃ苦手なのでこういう言語解読系ゲームはプレイできるのだろうか。と思っていたけれども実際プレイすると穴埋め式のパズルゲームみたいですごく面白かった! 多分言語解読系ゲームとしてはそこまで難しくないであろう難易度なのもいい。このゲームを遊ぶユーザーの中にはわたしのように言語解読系ゲームが初めての人も居ると思うので言語解読の部分につまずかないように工夫してるのかなと思った。それに主人公が超有能で、大事なそれでもって解読しづらいかもしれないな〜って単語は推測で答えを言ってくれるのでありがたい。語録もそこまで多くないし、活用とかもないのでさらさら埋まって気持ちいい。
それでも一周目は結構あやふやな言語や、わからない……これどこで出てきた単語……? ってのとか、自分で入れたけどトンチンカンな回答に「???」ってなったりして、結構苦労をした。言語って相手の伝えたいことのニュアンスをこちらの言葉でどう翻訳したらいいかのひらめきも必要なんだなあって思った。けれどもその苦労がまた面白い。トンチンカンな回答をしていても、何度も出てくる単語だと多分翻訳が違う~! ニュアンスは近いけれどなんか違う~!! みたいなことがあって、それがこんなに楽しいのかーと関心してしまった。
これをプレイして、他の言語解読系ゲームも遊んでみたくなった。ホラーと恋愛要素が大丈夫ならば言語解読系ゲームの入門にとても良いのではないかと思う。
だいぶ言語の予想がついてから二周目をやると、このシーンでこの人はこんなことを言っていたんだなってことがわかるので二度楽しい。これはネタバレ見たり、言語解読の攻略を見るよりも試行錯誤してプレイしたほうが絶対楽しいと思う。
ちょっと残念だったのはエンド一覧のところ。穴埋めしやすいようにたどり着いたエンドが一覧表示されるのだが、たどり着いたときに表示されるエンド名が日本語なのに、一覧表示のエンド名が英語なので咄嗟に何エンドかわかりづらい。英語苦手でも翻訳できる程度の英語ではあるのでよく見ればわからんでもないのだけれども、エンド埋めをしようとしたときに地味に不便だった。
それといったん暗転でロードセーブ画面を挟んで「その先へ」で個別ルートに飛ぶときがあって、最初のほうはスキップ機能かと思ってスルーしてしまっていたりした。これは慣れてくるとそういうものなのだなと思うのだがちょっと戸惑ったところだった。
ただ安価な個人製作ゲームなので難しい機能とかは特に不要だと思う。バグも大きな破綻もなく、ちゃんとエンドを回収していけば全体的な流れが見えてくるという気持ちが良い、シナリオ回収がしやすいゲームで全体的にとても面白いゲームだった。キャラクターへの愛着もあるし、言語解読系ゲームの面白さを教えてくれてありがとうと思えるゲームだった。ほんと良いキャラクターばっかりなんですよ。
以下キャラクターについてのあれこれ。
個別ルートのネタバレがあるので未プレイの方は注意。
ネタバレ見ないほうが楽しいゲームなのでプレイ予定のある方はプレイしてからのほうがいいです。
序盤にある這いばいさんのシーンなのだが首筋と耳がすごくセクシーなのでこの角度もっと見てえな……。
- 主人公
強い美少女(自称)女子高生(推測)。
バールを手に化け物どもをぶん殴りまくるメンタルも腕っぷしも強い女。好き。鉈男からは弱い的なことを言われていたけれどもだいぶ強いと思う。たまに可愛い一面と失礼な一面があってよい。とにかく強いので泣いたりせずに速攻で最善の手を考えまくれる女。行動力にあふれまくっている。好き。
何より一番好きなのが赤チャンに「お前今日から私の下僕な」と言うシーン。心の底から拍手喝采した。えtttttっち……ですね……。サイコー……。
- 這いばい男
この人嫌いなプレイヤーはいないと思う。序盤からずっと優しく、終盤まで優しい男。二周目序盤で初遭遇の時にも主人公を心配していてこの人ほんと根からいいひとだな……って感心してしまった。赤チャンは主人公をストーカーする理由みたいなものが一応あったけどこの人が親切にしてくれるのにもなんか理由があるのだろうか。根っからのいい人なんだろうか。主人公に殴られたり殺されたり色々されているにも関わらず、一緒一緒って言いながらついてきてくれるとても頼りになるお兄さん。
一番好きなのはツギハギ男からの分岐の心配させないでエンド。優しくて頼りになるけれどもこいつも重い執着持ってんな……って感じて好きだった。あと容赦なくツギハギくんをぶっ飛ばすのも好き。レッサーパンダのシーンは笑ってしまったし、唯一きちんとエンドで主人公と一緒に現世行って同棲しているのでよかったねと思った。とにかくプレイヤーでこの人嫌いな人はおらんでしょう。
メインビジュアルにもなっているあたり、メインヒーローは彼。というか登場時間の長さ的にも間違いない。
- 生首くん
めちゃかわ。かわいい生首。好き。
ずっと可愛かった。抱っこして運ぶのよき。どこでどのルートになるのかがわからなくて二周目にさ迷うことで全貌が見えたひと。結局どのルートでも可愛かったね。
一番好きなのは喜んでほしかったルート。主人公の軽口があの結末になるのにわあー……ッて拍手喝采した。彼との関係にとってはバッドエンドなんだけれども好きだ。あと二周目で、冒頭からの分岐で出会って一緒に閉じ込められるシーンを見てさらに好きになった。べそ……って感じの泣き顔とぷんぷんって感じの顔が特にかわいい。みつあみも可愛い。ずっと可愛いよ……。
- 銀髪の男
この人もどこでエンド分岐するのかわからなくて二周目にさ迷って見つけた。この人のルートの会話が何気なく世界観に関するとても重要なことを話していて、二周目に見つけてよかったかもしれんなと思った。
この人も基本的にずっと優しいお兄さん。たまに人体実験してくるけれども全く悪意がないのでしゃーねえな……って感じだった。もっと拷問とかされるものかと怯えていたけれどもそんなこともあんまりなかった。この世界の化け物たち、基本的にユーモラスでまあまあ優しい人が多い。あとこの人のエンドの3?で、まじでこの人優しい人だ! ってなったので好き。ボコられて肉塊になってもいいよいいよって言ってくれるの優しいな。この人のエンドだと生首くん化け物になってるっぽいけれど、この人の説明を聞く限りそのうちいい感じに復活するんだろうか。また復活したら主人公と三人でほのぼの生活やっててほしい。
- フードの男
この人もずっと優しい人だった。基本的に淡々としていて少しぶっきらぼうなくらいなのだが主人公にとってはずっとありがたみがありすぎる。パパンのような信頼感と安心感。基本の言葉教えてくれたり、あんな物騒な獲物を持っておいていきなり襲い掛かってこないところがもう良識ありすぎてありがてえ……ってなる。
物語の途中で縮んだ主人公を運んでくれたり庇ってくれたり基本的にずっとマジで優しい。なんか裏があるのではなかろうかと思ったがエンドでも優しかったからそういうものなんだろう。あとフード外すと首無しになるのいいね。
- 隙間男
序盤のほうで隙間から出てきたのに鉄格子に阻まれてしょぼんとするところと、赤傘に追われた主人公が無理やり入り込んできたところの困った顔が好き。厄介な奴だが悪い奴ではない。寧ろ指とか消えても何とかなる主人公にとってはすごく頼りになるのではなかろうか。
自分の写っているホラー雑誌を喜々として見せにきたり、色んな隙間から主人公のことを見てたり基本的にかまちょのストーカーの素質があると思う。後半になると主人公もあしらい方を覚えてきて結構粗雑に使っているのがさらにおもしろい。色んなところで割と有能な男。
- 長鉈男
筋肉枠。パワーでなんとかしようとしてくるし物理で主人公を元気に殺してくる。どの選択でもこいつに殺される率が高いが、主人公がまあいいやで済ませるのでそんなに怖い人ではない。この人の個別ルートで主人公を遠慮なくぶん投げていて笑った。たまに血とかくれて優しい。あとバーサーカーというわけではないので普通に引き際を見極めていて脳筋というわけでもない。
- 赤い傘の男
個人的このゲーム一番のえtttっち枠。女子高生に下僕とか言われて名前つけられて一緒一緒喜んでいる背の高い男……はあ……とても心がぴょんぴょんした。よき。別エンドの傘持つ手に自分の手を重ねているのも素晴らしかった。
ずっと追いかけてくるストーカーだと思っているけれども、この人のテリトリーで主人公が殺していた人間たちを「ごはんくれた!」みたいに思ってた感じ……? だから主人公になついてたのかなと。ずっと名前くれって言っているのに一切通じず拒否られて可哀そうな気もするがその扱いがたまらなく好き。
基本的にこのゲームのラスボスなのでこいつをどうするかがこのゲームの一番の選択だと思う。下僕にしたスカーレットレインが正規エンドなのかな? バール持って傘さした主人公よきでしたね……。赤チャンよかったねえ……ってなった。初期遭遇は怖いが回を増すごとにあんまり怖くなくなり、二周目になると可哀想で可愛い不憫で一途なストーカーになる。
- その他のひとたち
ツギハギくん。バスに行くルートの後で主人公に容赦なくぶん殴られるのが超好きだった。迷い込んだ人を襲ってジャケット奪ったのはこの人なのか、別のひとなのかどうなんだろうなーと思っている。だってあの金髪くんをどうこうできる感じではなさそう。そこまで力強そうでもないし。主人公に嫌いと一蹴され、這いばいさんにも嫌いと言われていてたいそう面白かった。
ウエディングドレスの女。この人すごく可愛くて好き。生首君と「首ない! こわい!」「体ない! こわい!」って言い合っているところが超ばちくそ好き。作中で一番可愛いシーンだった。さりげなく首の切断面? にレースの飾りつけていたりしてすごくおしゃれ。洋服大好きらしい。ドレスが一番好きそうだけれど、レインコート持っていたりするので他の洋服も持っていたりするのかなー。
ナースさん。いい人。基本的にほかの人をずっと気遣ってくれている。怪しい薬飲むように言ってくるのも悪意はないし。いい人。
覆面ちゃん。生首くん拉致の犯人。性質は悪いけれども可愛い。生首くんがあいつ嫌い!!!!!! って言っていてニコニコした。
車いすくん。特に害がものすごくあるわけでもなく、普通にナースさん呼んできたあとはお礼言ってくれるし思ったより常識的だった。
それとたまに出てくる目玉。わたしはめだまが大好きなので、出会った時が超かわいくて泣いてる~~~~!!!! ってなったけれどの後々で生首君を容赦なく齧っていて爆笑した。怖い生き物やんけ……!!!