一番つまらない話。

ゲームの感想書いたり見た夢を書いたり思ったことを書いてみたり。

10月14日の夢

母の友人が遊びに来ていた。
二階にある猫のトイレを掃除したわたしが、ゴミを捨てようと外に出ると、家から少し離れた場所に黒いライオンがいた。
体は褐色だが、たてがみが夜のように真っ黒だった。琥珀色の目がじっとこちらを見ていた。
わたしは幻覚かと思って家のなかに引き返した。
ついに幻覚をみてしまった……と思いながらツイッターに「黒いライオンがいた」と書き込んだ。
1イイネを貰った。
そのあとに「幻覚だったかもしれない」と書き込んだ。3イイネが来て、いや良くねえよと思った。

そのあとすぐに母の友人が、車に忘れ物を取りに行くと家を出た。
縁側側の窓からそれをみていると入り口から黒いライオンがのしのし歩いてきた。
悲鳴をあげる母の友人。夢じゃなかった!!!!?と焦るわたし。
ライオンが今にも母の友人に襲い掛かる!というときに、慌てた様子のつなぎを着た人達が雪崩れ込んできた。
隠れようと車の下に這いずっていく母の友人、麻酔銃を撃たれて倒れるライオン、まるで映画みたいな光景を窓から見ているわたしと母。
甥は家の奥で何か気に入らないことがあるのかぎゃあぎゃあ泣いていて、それを祖母があやしている。

呆然と成り行きを見守っていると、騒ぎを聞き付けて外に出てきた父親がつなぎを着た人たちと話をして、わたしに手招きした。
わたしは少し怖かったが好奇心に勝てずにサンダルを履いて外に出た。
ライオンはトラックの荷台に乗せられていた。麻酔が効いてぐったりしている。
つなぎの人達は飼育員で、新しくできた動物園にこのライオンを運ぶところだったという。その途中で事故が起きてライオンが逃げてしまったと。
触っても良いよと言われたのでわたしは恐る恐るライオンを触った。猫よりもずっと固くてごわごわしていた。たてがみが特にごわごわだったけれど、あたたかくて生きている感じがした。
フラッシュは炊かないから写真を撮っても良いかと聞くと快諾してくれた。わたしはライオンの写真を何枚も撮った。
その写真を後でツイッターに載せようと思った。ほんとに幻覚じゃなかったと言いたかったからだ。
そのうちライオンが目を開けた。落ち着いているらしく、もう暴れたり飛び掛かろうとしたりはしなかった。
逃走で興奮していたのだろうとつなぎの人達は言った。元はとても大人しい良い子なんです。と。
わたしは両手でライオンを撫でてみる。耳の辺りを撫でると気持ち良さそうに喉を鳴らした。可愛い。
ライオンは覚束無い足でトラックから降り、自分の足でノロノロと別の収用トラックに向かっていった。わたしはそれについていった。
途中、ライオンはわたしの足に何回か鼻先をすりつけてくれた。猫のようだった。
わたしはライオンと連れたって歩きながら、別れが惜しいなと思った。でも動物園に行けばまた会える。
騒ぎを聞き付けた近所のひとたちが恐々と窓や門のなかから様子を伺っている。なんとなく誇らしくて可笑しかった。
最後にライオンと向き直ると、ライオンはじゃれるようにわたしの手のひらを叩いた。
手のひらの薄皮がざっくり切れて痛かったけど、誰にもそれを言わないことにした。
一度首に腕を巻き付け、抱き締めて離す。ライオンはじっとしていて、何度か喉を鳴らした。好意に応えてくれたような気がして嬉しかった。
つなぎの人達が一緒に写真をとってあげようと言ってくれたので撮って貰った。
並んだライオンとわたしの変な顔。窓や門から覗く近所のひとたちの顔顔顔。
写真の出来は良くなかったけれど、まあいいかと思って携帯を返してしまった。ライオンは収用トラックに乗せられた。寂しかった。
つなぎの人達が動物園の場所を教えてくれて、チケットをくれた。礼を言ってわたしは最後にまだ聞いていなかったことを尋ねた。

つなぎの人達は言った。
彼の名前はレオンだよ。と。

そこで目が覚めた。
わたしは起き上がる。レオンという名前のライオンとの出会いは夢だったのだと思った。
ツイッターを覗いたが投稿はされていなかったし、写真は見当たらなかった。
外は雨が降っていて、濁った空で更に気分が落ち込む。
がっかりしながら階下に行くと母とその友人がお喋りをしていた。なんとなくわたしは尋ねてみる。レオンを知っている?と。
母は言った。黒いライオンでしょう?と。
びっくりしてわたしは母に言う。夢じゃなかったの?と。母は寝惚けているの?あんたは写真を沢山撮ってたじゃない。と言って友人とのお喋りに戻った。
心臓がどくどく鳴っている。
あらためて携帯を見ると写真フォルダにはレオンの写真があって、変な顔をしたわたしと彼が並んでいる写真があった。
ツイッターには黒いライオンを見た、幻覚だった。幻覚じゃなかったと投稿があった。
夢じゃなかった!!

着替えてわたしは外に出た。
駅構内から直通の動物園。人工的な滝の側に黒いライオンが居た。
レオンと呼ぶと、ライオンはわたしを見た。目が合った。確かにライオンはわたしを認識して、一度吠えてくれた。彼の側に雌のライオンが居た。
幸せになるといいなとわたしは願い、でもここは狭そうだと思いながら手すりにもたれ掛かってライオンを眺めた。

そこで本当に目が覚めた。